歴史に残るパンデミックが起きてから世界は変わりました。病院や公共の施設などでは、現在もマスク着用のところが少なくありません。そんなマスクが手放せない生活のなかで、マスクを外すと肌がヒリヒリしたり、季節の変わり目になると突然肌荒れが起きる…そんな経験はありませんか?敏感肌の方にとって、これらの症状は日常生活に大きな影響を与える深刻な問題です。
今までは平気だったはずが急な肌荒れが起きた時、多くの方が「どうすればいいの?」と不安になることでしょう。しかし、正しい応急処置と予防策を知っていれば、肌荒れの悪化を防ぎ、健やかな肌状態を保つことは可能です。
この記事では、マスク荒れや季節の変わり目による肌荒れの原因を解説し、実際に効果のある応急処置方法と長期的な予防策をご紹介します。
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敏感肌の天敵!マスク荒れと季節の変わり目
マスク荒れと季節の変わり目の肌荒れは、どちらも敏感肌の方が特に悩まされる症状です。これらの肌荒れが起こる理由を理解することで、適切な対処法を選ぶことができます。
マスク荒れの主な原因は摩擦・蒸れ・乾燥です。マスクが肌に触れることで物理的な刺激が生まれ、マスク内の湿度変化が肌のバリア機能を低下させます。特に、マスクを外した瞬間に急激な温度・湿度変化が起こり、これが敏感肌には大きな負担となるのです。
マスクによって湿度が保たれている状態は、一見肌には良さそうですが、湿度が高すぎるのも肌荒れの原因になり得ます。一般的に肌の水分量(空気中ではなく肌自体の水分量)は20-30%が理想と言われていて、この肌の水分バランスが崩れると肌の水分と油分のバランスが崩れて逆に肌の乾燥が悪化する場合があるのです。また、皮膚表面の水分バランスが乱れ、皮脂の分泌が過剰になると、毛穴が詰まりやすくなりニキビや吹き出物の原因になってしまいます。
季節の変わり目の肌荒れは、気温や湿度の変化、花粉などのアレルゲン、そして自律神経の乱れが複合的に影響します。特に春と秋は、一日の気温差が激しく、肌が環境変化についていけずにバリア機能が低下しがちです。
これらの肌荒れに共通するのは、肌のバリア機能の低下です。健康な肌であれば多少の刺激は跳ね返すことができますが、敏感肌の場合は小さな刺激でも炎症を起こしやすい状態になっています。
肌荒れした時の応急処置:これ以上悪化させない!
肌荒れが起きてしまった時は、まず「悪化させない」ことが最優先です。間違ったケアを行うと、軽い肌荒れが長期化したり、より深刻な炎症に発展する可能性があります。
まずは「休ませる」ことの重要性
肌荒れが起きた時の第一ステップは、肌を休ませることです。これは私が15年間「水とグリセリン」のみでケアしていた経験から学んだ、最も重要な原則です。
炎症を起こしている肌は、どんなに良い成分であっても刺激として感じてしまいます。まずは以下の点を心がけてください:
- 新しい化粧品は一切使わない
- メイクは最低限にする(可能であれば控える)
- 洗顔は1日1回まで、ぬるま湯のみか極めて刺激の少ない洗顔料を使用
- タオルでゴシゴシ拭かず、優しくく押さえるように水分を吸収
私の経験では、肌荒れした時により肌に優しいものをと新しいアイテムを試した結果、かえって症状を悪化させました。普段使い慣れないアイテムはもちろんのこと、炎症が起きている時の肌は、普段使っている化粧品でさえ刺激に感じることがあるので十分な注意が必要です。
おすすめの鎮静ケアアイテム
肌を休ませながらも、最低限のケアは必要です。炎症を鎮める効果が期待できる、以下のような成分を含むアイテムを選びましょう:
セラミド配合製品
- 肌のバリア機能をサポート
- 水分保持力を高める
- 刺激が少なく敏感肌にも使いやすい
グリチルリチン酸2K配合製品
- 抗炎症作用で赤みを鎮める
- 医薬部外品として安全性が確認されている
- 長期使用でも副作用のリスクが低い
アロエベラエキス配合製品
- 自然由来の鎮静効果
- 火照った肌をクールダウン
- 保湿効果も期待できる
私が敏感肌で苦しんでいた時期は、グリセリンしか使えませんでした。他の敏感肌用と言われるような基礎化粧品もドクターズコスメも、どれを使っても肌が赤く炎症を起こしてしまいました。もし、そのような状態にならないようであれば、これらの成分が入った基礎化粧品を試してみるのも良いかと思います。
赤み・かゆみが出た時の対処法
赤みやかゆみが現れた時は、以下の対処法を試してみてください:
冷却ケア
- 清潔なタオルを冷水で絞り、患部に軽く当てる
- 保冷剤をタオルで包んで使用(直接肌に当てない)
- 入浴時は熱いお湯を避け、ぬるま湯で短時間で済ませる
かゆみ対策
- 掻かずに軽く叩く、または冷やす
- 爪を短く切って無意識の引っ掻きを防ぐ
- 就寝時は手袋をして寝る
ただし、赤みやかゆみが3日以上続く場合、範囲が広がる場合、または水ぶくれなどが現れた場合は、自己判断せず早めに皮膚科専門医を受診することをお勧めします。
予防が大切!肌荒れしにくい肌を作る習慣
応急処置も大切ですが、何より重要なのは肌荒れを起こさない環境を作ることです。日々の小さな積み重ねが、強い肌を育てます。
マスク着用時の工夫
マスク荒れを防ぐための具体的な対策をご紹介します:
マスク選びのポイント
- 天然素材(綿、シルク)のマスクを選ぶ
- サイズは少し大きめで、肌に密着しすぎないものを選ぶ
- 使い捨てマスクの場合は、品質の良いものを選ぶ
着用時の注意点
- マスクと肌の間にガーゼやコットンを挟む
- 長時間着用する場合は、1-2時間に一度マスクを外して肌を休ませる
- マスクを外す時は、ゴムひもを持って外し、マスク本体が顔に触れないよう注意
マスク着用前後のケア
- 着用前に薄くワセリンを塗って保護膜を作る
- 着用後は優しく洗顔し、しっかり保湿する
- 蒸れが気になる場合は、アルコールフリーのトナーで軽く拭き取る
正直なところ、私もマスクは苦手です。コロナの時期は本当に苦労しました。現在も病院や、乾燥する機内などでは喉を守るためマスクをしたりする時もありますが、肌に刺激を与えるマスクは極力使用しないようにしています。
季節の変わり目対策スキンケア
季節の変わり目は、スキンケアルーティンも環境に合わせて調整する必要があります:
春(2-4月)の対策
- 花粉対策として帰宅後の洗顔を徹底
- 紫外線量が増えるため、UV対策を強化
- 気温上昇に合わせてスキンケアを軽めに調整
夏(5-8月)の対策
- エアコンによる乾燥対策
- 汗と皮脂のケアのバランスを取る
- 冷房と外気温の差による肌ダメージを軽減
秋(9-11月)の対策
- 急激な乾燥に備えて保湿を強化
- 夏のダメージをリセットするケア
- 気温低下に合わせてスキンケアを重めに調整
冬(12-2月)の対策
- 徹底的な保湿ケア
- 暖房による乾燥対策
- 静電気による刺激を軽減
できれば、季節の変わり目の1-2週間前からケアを調整することをおすすめします。肌が環境変化に慣れるまでには時間がかかるため、先手を打つことで肌荒れを予防できます。
内側からのケア
外側からのケアだけでなく、内側からのアプローチも重要です:
栄養面でのサポート
- ビタミンC:コラーゲン生成をサポート
- ビタミンE:抗酸化作用で肌を守る
- 亜鉛:肌の再生をサポート
- オメガ3脂肪酸:炎症を抑制
生活習慣の改善
- 十分な睡眠(7-8時間)
- 適度な運動で血行促進
- ストレス管理
- 禁煙・適度な飲酒
水分補給の重要性
- 1日1.5-2リットルの水分摂取
- カフェインやアルコールの過剰摂取を避ける
- 質の良い水を選ぶ
私自身、食生活を見直してから肌の調子が格段に安定しました。特に、最近ブームになっている腸活でプロバイオティクスを意識的に摂取するようになってから、肌荒れの頻度が明らかに減少している気がします。
まとめ:ゆらぎ肌を乗り越えるために
マスク荒れや季節の変わり目による肌荒れは、敏感肌の方にとって避けて通れない課題です。しかし、正しい知識と適切なケアを行うことで、症状を最小限に抑え、健やかな肌を維持することは可能です。
応急処置の基本原則
- まずは肌を休ませる
- 新しいアイテムは使わない
- 鎮静効果のある成分を選ぶ
- 症状が長引く場合は専門医に相談
予防策のポイント
- マスク選びと着用方法の工夫
- 季節に合わせたスキンケアの調整
- 内側からのケアも重視
- 生活習慣の見直し
最も大切なのは、自分の肌と向き合い、その時々の状態に合わせてケアを調整することです。敏感肌だからといって諦める必要はありません。私自身、長年の試行錯誤を経て、今では安定した肌状態を保てるようになりました。
肌荒れが起きた時は焦らず、基本に立ち返ってできるだけ必要最低限のシンプルなケアを行ってください。そして、日々の予防ケアを大切にすることで、肌荒れしにくい強い肌を育てていきましょう。
次回は「敏感肌のための肌に優しいベースメイク:選び方と崩れないコツ」について詳しく解説します。マスク時代に適したメイクテクニックもご紹介予定です。
最後までお読み頂きありがとうございました。何かご質問やお悩みがございましたら、ぜひコメント欄でお聞かせください。同じ敏感肌で悩んだ経験を持つ者として、できる限りお答えしたいと思います。
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