前編では、敏感肌・混合肌・乾燥肌の見分け方について詳しく解説しましたが、「自分の肌質は分かったけれど、実際にどんなスキンケアをすればいいの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
私も長年、自分の敏感肌に何をどう使えばいいのか分からずに苦しみました。化粧品を使うたびに肌が荒れ、結果的に15年間も水とグリセリンのみで過ごすという究極の状況に追い込まれてしまったのです。その経験から学んだのは、肌質に合わないスキンケアがいかに肌を傷つけるか、そして正しいケア方法を知ることの重要性でした。
この後編では、前編で診断した肌質別に、あなたの肌が本当に求めている正しいスキンケアについて、具体的に詳しく解説していきます。
もし前編をまだお読みでない方は、まずは「私って何肌?【前編】あなたの肌質は?敏感肌・混合肌・乾燥肌の見分け方」の記事でご自身の肌質を正しく理解していただくことをおすすめします。正しい肌質の把握こそが、効果的なスキンケアの第一歩です。
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前編の復習:「あなたの肌質」に合わせたケアで未来を変える
肌質を正しく知ることの重要性
前編では、敏感肌・混合肌・乾燥肌それぞれの特徴と見分け方についてお話ししました。簡単に振り返ると、敏感肌は刺激に対して過敏に反応する肌状態でバリア機能の低下が主な原因です。混合肌はTゾーンは皮脂過多、Uゾーンは乾燥といった部位別の違いがある肌質で、乾燥肌は水分・油分が不足してカサつきやつっぱり感がある肌質でした。
そして重要なポイントとして、これらの肌質は複合的に現れることが多く(特に敏感肌は他の肌質と併発しやすい)、また年齢や環境によって変化することもお伝えしました。
ケアの基本は「肌を健やかに保つこと」
どの肌質であっても、スキンケアの最終目的は「肌を健やかに保つこと」です。これは私が15年間の過酷な経験を経て、化粧品について基礎から学んで最も強く感じたことです。
健やかな肌とは、バリア機能が正常に働き、適度な水分と油分のバランスが保たれ、外部刺激に対して適切に防御でき、ターンオーバーが正常に行われている状態です。この基本を踏まえた上で、それぞれの肌質に合わせたアプローチを取ることが重要です。間違ったケアは、どんなに高価な化粧品を使っても肌トラブルの原因となってしまいます。
私の場合、若い頃は「効果の高い多くの化粧品を使えば美しくなれる」という間違った考えで、エイジングケア用の美容液まで多用していました。その結果、肌が必要としていない成分まで過剰に与えることにより、肌を刺激し肌のバリア機能を完全に破壊してしまったのです。この経験から、肌質に合った適切なケアこそが美肌への近道だと確信しています。
詳しくは「私って何肌?【前編】あなたの肌質は?敏感肌・混合肌・乾燥肌の見分け方徹底解説」で肌質の見分け方をご紹介していますので、こちらをご覧ください。
【肌質別ケア】あなたの肌に本当に必要なスキンケアとは?
敏感肌さんのためのスキンケアの基本
敏感肌の基本方針: 敏感肌のスキンケアで最も重要なのは、刺激を与えないことです。どんなに良い成分でも、敏感になった肌にとって刺激となってしまえば、逆効果になってしまいます。まず第一に物理的刺激を避けること、そして化学的刺激を避けることが大切です。摩擦を最小限に抑え、ゴシゴシ洗いは絶対に避け、タオルでの拭き取りも優しく包み込むようにしましょう。
また、アルコールや香料、着色料などの刺激成分を避け、新しい化粧品を使う際は必ずパッチテストを行い、一度に複数のアイテムを使うとそれぞれの肌への影響が分からなくなるため、1アイテムずつ試すことが重要です。
敏感肌スキンケアの4つの基本原則:
- バリア機能をサポートする:セラミドなどの保湿成分を補い、弱くなったバリア機能を回復させる
- 過度な洗浄を避ける:洗いすぎは肌のバリア機能をさらに低下させるため、優しい洗浄を心がける
- 保湿を徹底する:水分と油分のバランスを整え、肌を乾燥から守る
- 外部刺激から肌を保護する:紫外線対策を怠らず、環境刺激から肌を守り、体調や季節に合わせてケアを調整する
クレンジング・洗顔の選び方: 敏感肌にとって、クレンジングと洗顔は最も重要なステップです。洗いすぎは肌のバリア機能をさらに低下させてしまうため、クレンジングではミルクタイプやクリームタイプを選び、オイルクレンジングは界面活性剤が多く刺激が強いため避けましょう。洗浄力よりも優しさを重視し、ダブル洗顔不要のタイプも検討してみてください。
洗顔では、アミノ酸系洗浄成分のものを選び、泡立ちよりも肌への優しさを重視することが大切です。phは肌を同じ弱酸性のものを選び、スクラブ入りは絶対に避けてください。肌への負担を最小限に抑えることが、敏感肌改善への第一歩となります。
敏感肌におすすめの保湿成分:
- セラミド:肌のバリア機能を直接サポートする優秀な成分
- ヒアルロン酸:高い保水力で肌をしっとりと保つ
- アミノ酸:肌の天然保湿因子の主成分で肌なじみが良い
- スクワラン:肌なじみが良く刺激が少ない
- グリセリン:保湿力が高く肌への刺激が極めて少ない安全性の高い成分
避けるべき成分:
- エタノール(アルコール):刺激が強く乾燥の原因にもなる
- 香料:合成のものが多く、天然香料でも刺激が強かったりアレルギー反応を起こしやすい
- 着色料:肌に必要のない成分でなるべく避けたほうがよい
- 防腐剤(パラベンなど):人によってはアレルギー反応を示すことがある
- 界面活性剤:種類によっては刺激が強いため注意が必要
私の保湿体験談:水とグリセリンから学んだこと
15年間、私が唯一使えたのがグリセリンのみでした。当時は水でさえもピリピリするなど辛い思いをしましたが、この経験から「必要十分なシンプルケアの大切さ」を学びました。グリセリンは保湿力が非常に高く、肌への刺激が極めて少なく、安全性が高いため食用にも使われ、他の成分との相性も良い優秀な保湿成分です。この経験から、敏感肌の方にはあれこれと化粧品を多用せず、まずシンプルなケアから始めることを強くおすすめします。成分表示が短く添加物の少ない、シンプルな化粧品から試してみてください。そして、肌がびっくりしてしまわないように少しずつ、自分の肌に合う必要な成分のみの化粧品を足していってあげてください。
混合肌さんのためのスキンケアの基本
混合肌の基本方針: 混合肌のスキンケアで最も重要なのは、部位別のケアです。Tゾーンの皮脂過多とUゾーンの乾燥という、正反対のニーズに同時に対応する必要があります。まず部位別の特徴を理解することから始めましょう。Tゾーン(おでこ・鼻・あご)は皮脂分泌が多く、毛穴が目立ち、テカリやすい特徴があります。一方、Uゾーン(頬・目元・口元)は乾燥しやすく、小じわが気になり、カサつきやすい傾向があります。
混合肌スキンケアの4つの基本原則:
- 部位別の肌状態を理解する:TゾーンとUゾーンの異なる特徴を把握し、それぞれに適したケアを行う
- Tゾーンの皮脂をコントロールする:過剰な皮脂を管理し、適切な毛穴ケアを行う
- Uゾーンの保湿を重視する:乾燥しやすい部分には十分な保湿を心がける
- 全体のバランスを保つ:季節や肌の状態に応じて、ケア方法を調整する
クレンジング・洗顔の選び方: 混合肌では、洗浄の際にも部位別の配慮が必要です。クレンジングでは、Tゾーンは皮脂や毛穴汚れをしっかり落とし、Uゾーンは必要以上に皮脂を取り過ぎないよう優しく行います。全体的にはミルクタイプやジェルタイプを選び、必要に応じて部分的にポイントリムーバーを活用することで、効果的なクレンジングが可能になります。
洗顔では、泡をTゾーンから先にのせ、時間差をつけることがコツです。Uゾーンは最後に優しく洗い、洗顔時間は1分以内に抑えることで、必要以上の皮脂を取り除くことを防げます。ぬるま湯(32-34度)で洗い流すことで、肌への負担を最小限に抑えることができます。
混合肌におすすめの保湿成分:
- ビタミンC誘導体:Tゾーンの皮脂をコントロールする効果が期待できる
- ヒアルロン酸:全体的な保湿に優れ、部位を問わず使いやすい
- セラミド:バリア機能をサポートし、全体的な肌質改善に効果的
- アミノ酸:肌なじみが良く、敏感になりがちな混合肌にも安心
避けるべき成分:
- アルコール濃度の高い化粧水:Uゾーンの乾燥を悪化させる可能性がある
- 強すぎるピーリング成分:部分的な使用は良いが、全体に使用すると刺激が強すぎる
- 油分の多すぎるクリーム:Tゾーンに使用すると毛穴詰まりの原因となる
部位別の使い分けのコツ: 化粧水はさっぱりタイプを全体に使用し、Uゾーンには重ね付けすることで、異なるニーズに対応できます。美容液や乳液では、Tゾーンには軽いテクスチャーの美容液を薄く塗り、Uゾーンにはしっとりタイプの美容液を重ね付けします。乳液はUゾーンメインで使用し、Tゾーンはごく少量で。クリームは基本的にUゾーンのみに使用し、Tゾーンには使わないか、極薄く伸ばす程度に留めましょう。
乾燥肌さんのためのスキンケアの基本
乾燥肌の基本方針: 乾燥肌のスキンケアでは、徹底保湿が鉄則です。水分と油分の両方を補給し、それを逃がさないことが最も大切になります。まず水分補給として化粧水でたっぷりと水分を与え、次に美容液で肌に必要な成分を集中的に与えます。そして乳液やクリームで油分のフタをし、セラミドなどでバリア機能をサポートすることで、総合的な保湿ケアを行います。
乾燥肌スキンケアの4つの基本原則:
- 水分と油分の両方を補給する:化粧水で水分を与え、乳液やクリームで油分を補う
- 角質層の水分保持機能を高める:セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を積極的に取り入れる
- バリア機能を強化する:外部刺激から肌を守るため、バリア機能をサポートする成分を使用
- 必要以上に皮脂を除去しない:洗浄では優しさを重視し、保湿では複数のアイテムを重ね付けする
クレンジング・洗顔の選び方: 乾燥肌では、必要以上に皮脂を取り除かないことが重要です。クレンジングではクリームタイプやミルクタイプを選び、保湿成分が配合されたものを選択しましょう。洗い流し不要のタイプも検討し、マッサージは短時間で済ませることで、肌への負担を軽減できます。
洗顔では、アミノ酸系の優しい洗浄成分を選び、保湿成分配合の洗顔料を使用することが大切です。泡立ちより肌への優しさを重視し、朝は洗顔料を使わないことも検討してみてください。乾燥がひどい場合は、朝はぬるま湯だけで洗顔することで、必要な皮脂を保つことができます。
乾燥肌におすすめの保湿成分:
- セラミド:肌のバリア機能を直接サポートし、水分保持力を高める
- ヒアルロン酸:優れた保水力を持ち、肌をみずみずしく保つ
- コラーゲン:肌にハリと弾力を与え、乾燥による小じわを防ぐ
- スクワラン:肌なじみが良くベタつかない優秀な油分
- シアバター:保護力が高く、肌を外部刺激から守る
- ワセリン:最高レベルの保護力を誇り、夜のスペシャルケアに適している
- ホホバオイル:肌に近い成分構成を持ち、敏感になりがちな乾燥肌にも使いやすい
避けるべき成分:
- アルコール(エタノール):揮発性が高く、肌の水分を奪って乾燥を悪化させる
- 強すぎる界面活性剤:必要な皮脂まで取り除いてしまう
- 刺激の強いピーリング成分:乾燥で敏感になった肌には刺激が強すぎる
- 香料・着色料:乾燥で敏感になった肌には刺激となる可能性がある
保湿の重ね付けのコツ: 乾燥肌では、複数のアイテムを重ね付けすることで保湿効果を高めます。化粧水は高保湿タイプを選び、重ね付け(2-3回)で水分をしっかり補給しましょう。美容液では保湿成分の濃度が高いものを選び、乳液とクリームの両方を使用することで、水分の蒸発を防ぎます。
保湿をしっかりすることは、肌のラメラ構造を整えバリア機能を向上させるので、季節や環境による変化などの敏感肌予防にも効果的です。
スキンケアの効果を高めるための共通のヒント
正しい洗顔と保湿の方法
どの肌質にも共通する、効果的なスキンケア方法をお伝えします。正しい洗顔方法では、まずぬるま湯(32-34度)で予洗いし、たっぷりの泡で優しく洗います。摩擦を避けて泡を転がすように洗い、すすぎは髪の生え際まで丁寧に行い、最後にタオルで優しく押さえるように水分を取ります。
正しい保湿方法では、洗顔後すぐに化粧水をつけることが大切です。手のひらで温めてから肌にのせ、ハンドプレスで浸透させます。重ね付けで効果をアップさせ、美容液、乳液、クリームの順で重ねることで、効果的な保湿ケアが完成します。美容液、乳液、クリームも顔に点置きするのではなく、手のひらで伸ばして優しくハンドプレスでなじませます。
季節や環境に応じたケアの調整
私の25年間の敏感肌経験で忘れてはならないポイントは、季節や環境に応じてケアを調整するということです。
季節別ケアのポイント:
- 春:花粉などの外部刺激が増加するため、バリア機能強化を重視し、敏感肌用アイテムへの切り替えを検討
- 夏:皮脂分泌が増加し紫外線が強くなるためUV対策を徹底し、肌がべたつくようであればさっぱりタイプの保湿アイテムに切り替える
- 秋:湿度が下がってくる時期なので+αの保湿ケアを開始し、夏のダメージ修復に重点を置く
- 冬:乾燥が最も厳しい時期となるため、高保湿アイテムも活用し、しっかり保湿対策をする。部屋の湿度管理も重要
継続することの重要性
スキンケアで最も重要なのは継続です。私自身、15年間という長い期間を経て、現在は少しずつ化粧品を使えるようになりました。これは決して諦めずに、肌と向き合い続けた結果です。
継続のためには、無理のない範囲で始め、変化をこまめに記録し、少しずつアイテムを追加していくことが大切です。常に肌の声に耳を傾け、必要に応じて専門家のアドバイスも参考にしながら、自分に合ったケア方法を見つけていきましょう。
肌のターンオーバーは約28日周期です。最低でも1~2ヶ月は同じケアを続けてから効果を判断することが大切です。私の場合も、現在使える化粧品に出会うまでに数年かかりましたが、諦めずに続けたからこそ、今があります。
まとめ:正しいケアで「敏感肌卒業」を目指そう!
今回の後編では、敏感肌・混合肌・乾燥肌それぞれに合わせた具体的なスキンケア方法をお伝えしました。
重要ポイントのまとめ:
- 敏感肌:極力刺激を避け、バリア機能をサポートすることが最優先
- 混合肌:部位別ケアで、TゾーンとUゾーンの異なるニーズに対応
- 乾燥肌:水分と油分の両方を補給し、徹底的な保湿を心がける
- 共通点:正しい方法で継続すること、季節に応じた調整が重要
私自身の経験を振り返ると、20代前半の無知な化粧品の濫用から超敏感肌になり、15年間もの間水とグリセリンのみで過ごすという極限状態を経験しました。しかし、正しい知識を身につけ、適切なケアを続けることで、現在は少しずつ化粧品を使えるようになりました。
現在、私はfacenearthという海外のオーガニック系コスメのエイジングケアクリームを使用しています。このクリームは使い始めすごく良いという印象は無かったのですが、使用を止めたり他のクリームに変えたりすると、やっぱりこのクリームが良かったと戻ってしまいます。こちらの化粧品はローションも問題なく使えました。
他にも有効成分に特化したThe Ordinaryの製品も問題なく使えています。このブランドはかなり玄人好みで、さまざまな有効成分が高濃度で配合されている化粧品が多数展開されていますが、成分どうしでNGな組み合わせもあるので注意が必要です。

あなたにお伝えしたいのは、どんな肌質でも必ず改善の道があるということです。
私のブログでは、今後も実体験に基づいた信頼できる情報を発信し、同じように肌で悩む皆様の改善への道のりを継続的にサポートしていきます。一人ひとりの肌質は異なりますが、正しい知識と適切なケア、そして継続する意志があれば、必ず肌は応えてくれます。
25年以上敏感肌と向き合い続けた私だからこそ言えることは、「諦めないでください」ということです。今日から始める正しいケアが、きっとあなたの肌の未来を変えてくれるはずです。
健やかで美しい肌への道のりは、決して平坦ではありません。しかし、その先には必ず光が見えてきます。私自身がそうであったように、適切な知識と正しいケアを続けることで、「敏感肌卒業」も夢ではありません。
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した肌質別ケア方法を参考に、ぜひ実践してみてください。効果を実感できるまでには時間がかかるかもしれませんが、正しい方法で継続すれば、必ず肌は変わってくれます。このブログが、あなたの肌質改善への道しるべとなり、美しい肌を手に入れるお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。
次回は「敏感肌のあなたへ 今すぐ見直すべき!NGスキンケア習慣5選」について詳しく解説します。多くの方が無意識に行っている肌に悪影響を与える習慣と、その改善方法をお伝えします。
何かご質問やお悩みがございましたら、ぜひコメント欄でお聞かせください。同じ敏感肌で悩んだ経験を持つ者として、できる限りお答えしたいと思います。
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